若いうちから白髪が多いと、薄毛にも繋がるのではないかと心配する方もいるでしょう。白髪と薄毛との因果関係はあるのでしょうか?どちらも髪のトラブルですから、似たような原因により起こることもあるのです。
白髪と毛髪減少の関係性
白髪の原因は、血流不足などによりメラニン色素にメラニンの原料が届けられず、メラニン色素が作られないことが原因となっています。ほかにも年齢的な要因により、メラニンをつくりだすために必要となる、チロシナーゼという酵素の不足も考えられます。
一方で抜け毛は毛母細胞の栄養不足や、男性ホルモンの影響によるものです。白髪と薄毛の直接的な原因は異なるのですが、2つの髪のトラブルが同時に起こることがあることから、どちらも食生活や生活習慣の乱れも原因だと考えることができます。
ストレスにより血流不足が起これば、メラニンをつくる原料が不足したり、髪のもととなる栄養素も足りなくなってしまいます。精神的なストレスが一時的にかかると、円形脱毛症が起こることからもわかるように、髪のトラブルはストレスとも密接な関係性を持ちます。ストレスは自律神経を乱し、交感神経が優位になって血管が収縮し、血流が悪くなり髪の色素に必要な栄養素や髪の成長に必要な成分が届けられなくなります。
生活習慣の乱れも同じように自律神経の乱れを招いたり、睡眠不足により成長ホルモンがしっかり分泌せず、メラニンをつくりだすメラノサイトや毛をつくる毛母細胞の代謝にも影響を及ぼすことがあります。さらに喫煙習慣や運動不足なども、白髪や薄毛の原因となりえます。
白髪の原因を考えると白髪の方がはげやすい?
白髪になる人ははげにくいといわれるのは、単なる迷信に過ぎません。白髪と関係があるのはメラノサイトで、薄毛の影響となるのが毛母細胞の衰えだからです。双方では直接原因となる細胞が異なるからといって同時に発生しないとはいいきれず、老化の影響はどちらの細胞にも同じように影響を及ぼす可能性もあるのです。
白髪ができるということは、メラニンをつくるために必要となるチロシナーゼという酵素が不足してきたと考えることができます。体内酵素は一生のうちでつくりだせる量が決まっており、できるだけ節約することができれば将来の老化を食い止めることにも繋がります。
体内酵素には消化酵素と代謝酵素の2種類が存在しており、消化酵素を無駄使いする生活をしていれば、代謝酵素が足りなくなり、早い年齢からチロシナーゼが不足する可能性もあります。普段から生の食材を食べる機会が少なく、加工食品ばかりだと消化酵素を多く使い、体内酵素だって足りなくなってしまします。食生活が乱れやすい方は、白髪が発生しやすく、同時に活性酸素を除去する酵素も足りなくなり、薄毛の原因にもなりえます。
ほかにもストレスの影響や生活習慣の乱れ、髪に必要な栄養が不測することも、白髪と薄毛の両方を引き起こすといえます。白髪があるからといって薄毛も同時に発生するわけではありませんが、生活習慣の悪化により白髪ができた人は、薄毛の原因も同時に抱えていることになります。
白髪染めやヘアカラーは白髪増加の原因に
もうひとつ白髪がある人の習慣が、薄毛を進行させてしまう原因となることがあります。それが白髪染めやヘラカラーの繰り返しです。白髪があるのが年齢的なものであれば、直接薄毛の原因となることはありません。しかし、白髪染めは頭皮を傷つけダメージの蓄積により、次第に毛を生やす毛母細胞にも影響が出てくることがあります。
白髪染めにはジアミンという薬剤が使用されていることが多く、この成分はアレルギーを引き起こすリスクがあります。ほかにも白髪染めには発がん作用を持つ過酸化水素水や、腎臓や甲状腺への影響が懸念されるレゾルシンなどの影響もあります。とくに注意したいのが頭皮に白髪染めの薬剤が付いてしまうことです。セルフカラーの場合は頭皮に付かないようにするのは至難の業ですから、白髪染めやヘアカラーは美容院でやってもらったほうが頭皮への負担は少なくなります。美容師さんはハケを使い頭皮を避けて少しずつ毛に薬剤を塗布し、ダメージを極力減らしてくれます。
どうしても家庭で白髪染めをしたいなら、ジアミンが含まれていないトリートメントタイプのヘアカラーを使うのもひとつの方法です。植物染料で染めるため頭皮への負担が少なくなっています。
白髪が多い人は同時に薄毛になる、逆に白髪が多い人ははげない、どちらも間違った考え方です。確かにどちらも同じような生活習慣が原因となることがありますから、老化だけでなく若い頃から栄養が偏っていたり、ストレスを抱えている方、不規則な生活をしている方などは、白髪と薄毛が同時に発生することはあります。ただし、直接的な原因はどちらも違うもので、白髪があるからといって必ずしも薄毛になるわけではないのです。また、白髪染めの成分が薄毛につながることもあるため注意しましょう。
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