白髪はなぜできるのでしょうか?白髪と一口でいっても、すべてが白髪というケースもあれば、髪の途中から白髪になっているなどパターンもさまざまです。どのようなメカニズムにより発生するのか理解すると、今後白髪が黒髪にもどるのかがわかります。
白髪になるパターンの種類
白髪の生え方は主に3種類あります。白髪とは年齢とともに何らかの原因で、メラノサイトと呼ばれる色素形成細胞の機能が衰え、メラニンをつくりだせなくなったことから起こります。メラノサイトは皮膚、頭皮、眼、粘膜などに分布しており、紫外線を浴びることが多い箇所には高密度で存在しています。
頭皮にある毛母細胞の中にメラノサイトが存在し、そこでメラニンを生成させ髪に色を付けています。しかし、加齢や病気などの影響により、メラノサイトが徐々に機能が低下し減少していきます。それに伴いメラニン色素も減少するため、白髪ができてきます。
髪の生え変わりに白髪になる
髪の成長は、毛母細胞が分裂し髪が伸びる成長期、成長が止まる退行期、そして休止期を経たサイクルを繰り返しています。この間で休止期は髪が抜け落ちている状態です。そして新たに毛母細胞で細胞分裂を繰り返し髪が生えてきます。髪の生え変わりで白髪になるというのは、休止期の間に加齢によりメラノサイトが消失し、再び髪が生えてきた際に白髪となるものです。
成長の途中で白髪になる
髪が成長して抜け落ちるまでは、4~6年ほどかかります。この間に加齢によりメラノサイトが消失してしまえば、生えている毛の途中から白髪が見えてきます。
突然白髪になる
病気による原因の場合、突然メラノサイトの活動が停止し白髪になることがあります。極度のストレスを受けた場合も白髪になる恐れがありますが、ある日突然髪が真っ白になることはありません。白髪になるのは毛母細胞にあるメラノサイトの活動停止によるものですから、病気や極度のストレスを受けた後に白髪が徐々に伸び髪が生えることになります。
白髪が生えるメカニズム
メラノサイトのもととなる色素幹細胞は細胞分裂により自己分裂しています。若いうちは自己再生能力があるためコピーミスは発生せず、健康な細胞がつくりだされています。しかし、何らかの原因によりDNAに損傷が及ぶと、色素幹細胞は複製機能がなくなってしまいます。すると幹細胞は複製をつくれないまま色素細胞へと変化するため、機能が低下したメラノサイトとなりついにメラニンを生成できなくなってしまいます。
DNAが傷つく原因の多くはストレスによる活性酸素の影響だと考えられており、さらに最近の研究では特定遺伝子との関連性も明らかになってきています。たんぱく質FGFをつくる遺伝子の量が減ると、メラノサイトの増殖にも影響が出ることがわかってきました。白髪の研究がもっと進めば、一度白くなった髪の毛でも黒く戻せる日がくるかもしれません。
白髪ができる原因は、遺伝・加齢・生活環境・病気・ストレスなどがあるため、これらを取りのぞくことが重要となります。
毛先から白髪になるメカニズム
髪が生えるメカニズムから考えると、毛根から徐々に白髪になるのが一般的です。しかし、体調不良、栄養不足、ストレスなど白髪の原因が一時的に起こり、たまたまメラニンがつくりだされていなかった場合は、毛先のみが白くなることもあります。
毛先のみが白髪になっていて、毛根は黒くなっているなら、メラノサイトは機能を停止していないということです。この場合は完全に白髪になったのではなく、一時的な原因によるもののため、生活習慣や食生活・ストレスを取り除くことで黒髪に戻すことは可能です。髪の途中から毛先に向かって白髪になっている場合は、改善できる可能性が高くなります。
白髪が再び黒くなることはある?
一度機能を停止させたメラノサイトはもとにもどることはありません。そのため、白髪になれば次に生えてくる髪の毛は白髪となり、一生白髪のままになります。
しかし、女性の場合は一時的に血液を多く失い、白髪が再び黒髪にもどることがあります。それは初潮、出産、閉経のときで、体内の血液が不足するため、一時的にメラニン色素をつくりだす栄養が不足し、白髪になっていることもあるからです。産後の女性で白髪が増えたのに、栄養面やストレスを取りのぞく生活をしていたら黒髪にもどったという声はよく聞かれます。
その場合は、マッサージにより新陳代謝を促がしたり、体内の酸化を防ぐ抗酸化物質を多くとる、血流をよくする、頭皮の潤いを保つなどの対策が有効となることがあります。また、科学的な根拠はありませんが、陰毛に関しては一度白髪になっても、再び黒髪になったという声が多いようです。
一度白髪が生えてくると、完全に諦めてしまうのではなく、体の内側からケアしたり、髪に良い栄養対策や、血流を良くする方法などを実行してみるのもよいかもしれません。白髪のなかには一時的な原因でメラニン色素がつくりだせず、再び黒髪にもどることもあるため、完全に諦めてしまうのはまだ早いかもしれないのです。
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